第45回 本場ナントのラ・フォル・ジュルネ
日本クラシック界最大の行事ともいえそうなこの催しが、フランス西部の町ナントで毎年行なわれている音楽祭を移植したものだというのは、多くの方がご存じだろう。
1995年に始まったナントの「熱狂の日」は、すでに13回を数える。今年も1月31日から2月4日まで、5日間開催された。テーマは東京と同じ「民族のハーモニー」。曲目も演奏者の顔ぶれも、かなり共通している。
東京都だけで1200万、首都圏で考えれば4200万という人口を持つ「オ・ジャポン」とわずか30万人のナントでは、そもそも周囲の規模が異なるし、ゴールデン・ウィークという特殊な休日の連続も、ナントにはない。ところがそれでも町の人口の半分にあたる15万人を動員するというのだから、さすが「元祖」の熱狂恐るべし、である。
今月のユーロ・ライヴ・セレクションでは、14日から24日にかけ、9回にわたって今年のナントの「熱狂の日」のライヴをお送りする。颯爽たるヴァイオリンで旋風を巻きおこしたネマニャ・ラドゥロヴィチなど日本にも来た音楽家ばかりでなく、コンチェルト・ケルンやケルン室内合唱団のように、来日しなかった人たちの演奏も聴けるという、オマケも付いている。
山崎浩太郎(やまざきこうたろう)
1963生まれ。「レコード芸術」を始め、音楽雑誌、CDのライナーなどで活躍中。クラシックの演奏史の中に現代を位置づける活動を行っている。最近特に海外盤に目立ついわゆる「ヒストリカルもの」(放送局のライブ音源をCD化したものやSPやLPの時代の録音のCD化)には滅法強い。
山崎浩太郎のはんぶるオンライン
舩木篤也(ふなきあつや)
1967年生まれ。音楽評論家。「読売新聞」で音楽評を担当、「レコード芸術」「ぶらあぼ」など音楽誌に定期的に寄稿し、公演プログラムやディスクの解説、翻訳も手がける。特にドイツ音楽全般に関心あり。ワーグナーは生涯的なテーマだと考えている。演奏の前に、まずは作品を重んじたい。東京芸術大学ほかでドイツ語講師。共訳書に『アドルノ 音楽・メディア論集』(平凡社)
「EURO LIVE SELECTION」 ラ・フォル・ジュルネ・ド・ナント2007(全17本) 【音源提供:フランス国営ラジオ】
6月14日(木)~17日(日)、20日(水)~24日(日)22:00~24:00
出演:山崎浩太郎・舩木篤也

