第42回 来日公演は終わったが
この稿を書いているのは1月末なので、そのツアーがどのような結果になったかは知る由もないのだが、どうか盛況と喝采のうちに終わっていてほしいと願っている。というのも2人とも、わたしが将来を大いに期待している指揮者たちだからだ。ひとりはウィーン放送交響楽団を指揮したベルトラン・ド・ビリーであり、もうひとりはフィンランド放送交響楽団と来日するサカリ・オラモである。
ふたりとも、純度と澄明度の高い、見通しのよい響きをもち、躍動感にみちたリズムを持っている。21世紀前半の主流となるだろう、俊敏な音楽性をそなえた指揮者たちなのだ。若手をなめてかかる傾向のつよい我が国での人気はまだ限られた範囲の中だけだが、今後はひたすらに増していく一方のはずである。
オラモの方は幸い、今月の「ユーロ・ライヴ・セレクション」にも登場するので、演奏会を聴き損ねた方たちにもその指揮ぶりを聴いていただける。バルトーク、シベリウス、ラヴェルなど、オラモが得意とする近代の作品群だから、きっとその実力を確かめることができるはずだ。
山崎浩太郎(やまざきこうたろう)
1963生まれ。「レコード芸術」を始め、音楽雑誌、CDのライナーなどで活躍中。クラシックの演奏史の中に現代を位置づける活動を行っている。最近特に海外盤に目立ついわゆる「ヒストリカルもの」(放送局のライブ音源をCD化したものやSPやLPの時代の録音のCD化)には滅法強い。
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