第38回 アーノンクールの40年
昨年、25年ぶりに日本を訪れたのに続いて、今年はその指揮による演奏会が開かれることになった。カラヤンが生きていたころには、「音楽の都」ウィーンに拠点を置きながら王道を行くことを拒否する異端者として、刺激的かつ挑発的な活動を続けていたアーノンクールも、ここ10年ほどはウィーン・フィルやそのニュー・イヤー・コンサート、さらにベルリン・フィルなどの演奏会も当然のように指揮するようになった。
もちろん、保守的伝統を持つそれらのオーケストラを指揮しても、つねに斬新な視点から作品とその演奏を見つめなおすアーノンクールの姿勢は変わっていない。ウィーン・フィルを指揮してスメタナの交響詩を指揮するときにも、ピリオド楽器の団体を指揮してモンテヴェルディの歌劇を指揮するときと同じく、古びた作品の時代の垢を洗い落とし、新鮮な色彩を甦えらせる手法がとられているのだ。
レコードの上でのその活動は、1960年代初めから数えて、すでに40年を越える長さに及んでいる。11月6日から11日と13日から18日までの日曜日を除く2週間、昼12時からお送りする「スペシャル・セレクション」では、若いときから現在に至るまで、アーノンクールの指揮をたっぷりとお聴きいただこうと思う。
山崎浩太郎(やまざきこうたろう)
1963生まれ。「レコード芸術」を始め、音楽雑誌、CDのライナーなどで活躍中。クラシックの演奏史の中に現代を位置づける活動を行っている。最近特に海外盤に目立ついわゆる「ヒストリカルもの」(放送局のライブ音源をCD化したものやSPやLPの時代の録音のCD化)には滅法強い。
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